けい焼マグネシウム（Caustic calcined magnesia）けい焼粉

マグネシア鉱、マグネシウム石、海水またはハロゲン水から抽出した水酸化マグネシウムを800 ~ 1000℃程度で焼成し、分解してCO 2またはH 2 Oを排出させると、軽量焼成マグネシウム粉（Caustic calcined magnesia）が得られ、活性酸化マグネシウムは軽量焼成マグネシウム、苛性酸化マグネシウムまたは軽量焼成マグネシウムとも呼ばれ、俗に苦土粉と呼ばれる。軽量焼成マグネシウム粉は性質が粗く、化学活性が大きく、マグネシウムセメント、菱マグネシウム建材製品、断熱保温材などの製造に用いることができ、また二段階焼成法による良質マグネシウム砂の中間産物を生産することもできる。

けい焼粉用途

マグネサイトを加熱すると、600℃前後で等軸結晶系マグネサイトが出現する、650℃になると等軸晶系方マグネシアが消失し、非等軸方マグネシアが発生する、850℃で等軸晶系マグネシアは完全に消失した。これらの方晶マグネシア格子は、点状欠陥と転位の出現により高い表面エネルギーを有する。MgOの格子はMgCO 3格子群より水があまりかからないため、格子間孔は増大し、気孔率が高く、比表面積が大きく、高い活性を有する。

軽焼マグネシウム粉は淡黄、淡褐色の粉末を呈し、粒度は-100目以下が多く、角マグネシウム石の結晶は小さい（<3μm）、真比重3.07 ~ 3.22、積積層密度0.8 ~ 1.2 g/cm 3、屈折率1.68 ~ 1.70、格子定数大（α=0.4212）格子欠陥が多く、材質がサクサクしており、孔構造を有し、反応活性が大きく、固相反応または焼結を行いやすく、水と作用してMg（OH）2を生じて硬化し、接着能力がある。マグネシア鉱で焼成した軽量焼成マグネシア粉末は、体積が5%程度収縮し、通常、完全に分解されていないためCO 2が3%~ 5%残っている。

マグネサイトの軽焼温度、軽焼時間はマグネサイトの活性に一定の影響を与える。マグネサイトをそれぞれ600、650、700、750、800、850、900℃で焼成し、15 ~ 90分以内に700、750、800℃の焼成温度がマグネサイトの活性に明らかな影響を与えなかった、600、650、850、900℃の活性への影響は特に顕著で、600、650℃の焼成時、活性は時間の延長に伴い明らかに増加した、850、900℃焼成時の活性は炭化水素焼成時間が長くなるにつれて明らかに低下した。